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短編にもならない思いつき小ネタ集
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泣きそうになった。いっそ泣いてしまえればどれだけ楽か考えた。
先生の左手の薬指に光る銀色をみてしまったから。
そのあとどうしたかわからない。ただ気が付けば屋上で一人、ぼーっとしていた。ツキンツキンと軋む胸の音をききながら。
確か、進路のことで呼ばれていた気がする。

思い起こせばもう二年半にもなる。
はじめは、なんでこんなぐーたらが教師やってんだろうと思って極力関わらないことにしていた。
いつからだっただろう、銀八先生のことを意識し始めたのは。

その日は雨で、いつも以上に電車が混んでいた。突然感じた他者の手がおしりの上を撫でるように触れてきた。太ももを味わうようになでるその手に涙を必死に押さえながら、ただただ怖くて身動ぎができなかった。そんなとき、いきなり手の感触が消えて、先生の声が後ろで聞こえた、"うちの可愛い生徒に痴漢すんのやめてくんねぇ?"一気に緊張の糸がきれて先生に泣きついた事を覚えてる。

たぶんその時から、もうすでに好きだったのかもしれない。それからは膨らんでいく一方。
一つ一つの仕草が愛しくて、その度に胸が締め付けられて。
でも、相手は先生なんだ、一回りも歳上がこんな子供、相手になんかしない。そうやって胸は締め付けられていく。ダメと言われれば言われるほど、気持ちは暴走して、私はそれを必死に隠した。
隠しとうしてきた、今日。よりにもよって見つけてしまった薬指のリング。
胸が締め付けられてこのまま息もできずに死んでしまえればどれだけ楽だろうか。

屋上に吹き抜けた風は、私の頬を撫でるように舞い上がった。

貴方の愛が、私に向くことはなく、私はそれを切望している。







――――――――――
はい。意味が分かりませんね、ごめんなさい。
つまり先生に恋心を抱いたって、子供なんか相手にしてくれないっていう切ないのを書きたかったんですが、何故かヒロインの一人語りになりました。
まぁ銀八の薬指の指輪は実はバツゲームっていう裏設定。結局は両想いになればいいと思います。ではでは
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