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短編にもならない思いつき小ネタ集
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何もない部屋に永遠と積まれたダンボールを見て、うっとつまる。
引っ越したばかりのアパートにはあたし以外は誰もいるわけもなく、おかえりを言ってくれる声も当然ない。
ついついいつもの調子で帰ってきた合図を声に出してしまい、よけいにむなしくなってしまった。

「あ゛―――………。」

寂しさをまぎらわすように、必要最低限の家具しかおいていない部屋にある唯一ひきっぱなしの布団にダイブした。
自分からこうすることを選んだのに、もう万事屋が恋しくなってしまった。
いつもなら、いつもなら、神楽ちゃんが玄関まで迎えにきてくれて、新八くんがお茶を入れてくれて、あいつがジャンプかテレビを見ながら『おぅ、おかえり~…。』って上の空で、それがいつもムカつくって………。

「だぁあああっ!!」

考えるのやめよ、余計に寂しくなる。
それになんだムカつくって。これじゃ、あたしがアイツのことすっごく好きみたいじゃないか。
……………あながち間違ってはいないけど…。

家を出る前に見せた、納得してない気にくわない認めてやんない、そんなすねたような顔をしていた銀を思い出す。
せれでも最後は笑って送り出してくれたけど、最高に不細工だった。
………チクショー、そんな顔するから心配になるじゃんか…。
まさか、ご飯食べれなくなったりしてないよなぁ…いや、それはないな。
甘いもんばっか食べてまた血糖値上げたり、ジャンプとかちゃんと片付けてんのかなぁ…。あ―、アイツあたしが言わなきゃ布団外に干さないからなぁ…きのこ生やす前に干してくれるか心配だ―…。

電話してみようか、と携帯を手にとった。
電話帳を開いて万事屋の文字を見つけたけれど、通話のボタンを押そうとして止めてしまった。
………アイツのお母さんか、あたしは。
銀だってガキじゃないんだし、大丈夫だろう…………きっと。
アレでも、あんなんでも、一応万事屋のオーナーなんだし……うん。
パチンと携帯を閉じて、枕に顔を押し付けた。
きっと、今の状態で、アイツの声なんて聞いたら、帰りたくなってしょうがないから。

『お前何言っちゃってんの?無理に決まってんじゃん、お前が一人暮らしなんて。飯もまともにつくれねーくせに。』
『………それ、本気で言ってんのかよ…●。』
『だいたい●ちゃん平気なんですか―?銀さんと2年も会えないなんて寂しくて泣いちゃうんじゃないの~。泣いたって銀さん知んねーからな、会いななんて行ってなんかやらねーからな。』
『あいつらだって、お前がいなかったら寂しいんじゃねーの。』
『●は平気なのかよ…、2年も会えねぇんだぞ。』
『…………………っ…、頑張ってこいよ、●。』
『……連絡くらいよこせよ。あ、てめぇ浮気なんかしたらアレだからな、お妙の可哀想なたまご食わせるからな。』
『いってら。』

素直に行くなって言えばよかったのに…、あの馬鹿。
ふ、っと笑いがこみあげる。
よし、アイツから連絡くれるまでしないことにしよう。
その間に料理の腕も上げて、
いまよりもっといい女になって、
あの実は逞しい腕に、今度は素直に抱き締めて貰うために。

胸をはって帰れるように、今は銀を我慢しよう。








―――――――――――
最後ぐだぐだ意味不明~……………
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