短編にもならない思いつき小ネタ集
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東のほうは激戦区になっているらしい。
それなら、まだ西で斬り合いをしているほうが楽、なんだろうか。
天人がここへ来てからいろんなことが目まぐるしく変わっているけど、
あたしのように、それを受け入れられない人間だっていて、それが反発しあって攘夷戦争なんてものができて。
「ねぇ、辰馬。東に行くって本当?」
最後の一匹を斬り倒して、顔にかかった返り血を腕でふきながら
今の今まで、背中を預けていた幼馴染みに声をかける。
「なんじゃ●、そげなこと考えながら殺っとったんか?」
「あぁ、まぁ、辰馬なら行くだろうな、って思ってたし。」
「●はどうするんじゃ?」
「あたしは、ここを守るので精一杯だし…、まぁ考え中。」
それに辰馬がいなくなったらこっちの戦力が一気に落ちるじゃんか。
それなのにあたしまで東に行ったらとんでもないことになるよ。
「まぁ、たぶん行かないよあたしは。」
ボソッと呟いた言葉は彼に届いてたか知らないけど。
その後続いた沈黙が、刺さるように痛かったのを覚えている。
あれからもうどれくらいたったんだろう。
あの後、結局辰馬は東へ行った。
その活躍は西でドンパチを繰り広げていたあたしのもとにも伝わるほどのもので、
でもそれも、終戦前にぱったり絶えた。
はじめは西にいた皆で、逝ったのかあいつ、なんて言われてたりした。だけど、
なんとなく違う気がして、とりあえずあいつが帰ってくるのを待とう。と思っていた。
「万事屋銀ちゃん…。」
なんつー名前の付け方だ、と看板を見てそう思った。
終戦後、暫くして貿易業を営む社長の名前が、風の噂であたしの耳に届く。
その名前がいつぞやの幼馴染みの名前で、いてもたってもいられずに、あたしは上京してきてしまった。
とりあえず、あいつは今どこで何をしてるんだあの楽天的野郎。連絡くらい寄越しやがれ、と一言言いに、と思って江戸に出てきたはいいけど、何をどうしていいかわからずさまよっているところで奇妙な看板を見つけた。
とりあえず、これといった手がかりもなしに人探しなんて一人じゃ難しい。
なんとなく、この看板を叩けばあのバカに会える気がして、店へと続く階段を上っていく。
万事屋と名前を掲げてるくらいだから、きっと頼めば手伝ってくれるだろう。
そう思ってチャイムに手をのばした時、
「うちになんか用?」
階段の下から銀髪の天然パーマが声をかけてきた。
あぁ、こいつがここのオーナーなのか。
にしてもやる気なさそうな死んだ目してるし、依頼するとこ間違えたな、これきっと。
「ちょっと、人探しを頼みたくて…。」
あからさまにめんどくさいという顔をした銀髪パーマに、誰が好印象なんて持つものか。
「とりあえず、中入れば?」
促されるままに店の中へ案内された。
思えばこれが、こいつとの始まり。
――――――――――
今度企画にアップする夢の過去話。
とりあえず、本編が完成するまでお待ちを~みたいな宣伝もかねて(笑)
いいから早く本編かけよ自分!
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