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短編にもならない思いつき小ネタ集
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ぷに、と銀ちゃんの頬を触った。
なんかお饅頭みたい、と思って手を伸ばしたけど、あながち間違ってはなかった、と思う。
当の本人は、人の膝を枕にして寝息を掻いているから平気だろう、とあたしの行為はエスカレートしていく。
さら、と髪の毛の生え際を上に撫でていく。天パだけあって、ちょっと硬い。
でも、このふわふわ感覚は好きだ。その感触が気持ちよくて何度も何度も撫でていく。
なんかそれにも飽きてきて、す、と頬に手を滑らせた。
なんだお前気持ちよさそうに寝やがって、さっきまでの雰囲気はなんだったんだ。


こうなる前のことを、ちょっと思い出してみる。

『銀ちゃん、おはよー。』

今日はあたしの仕事が休みで、朝から家に行く話になっていた。
チャイムは一応鳴らしたけど、いつものことだから勝手に入っちゃっても平気だ、とか思って戸を開けてみたら、銀ちゃんがいて、
いつものヘラとした顔じゃなくて、いつになく真剣な顔をしていたので、ちょっとドキとか心臓が跳ねたけど。

『え。何事?』

なんかすっごく複雑な顔をして抱き締められたので、思わず口から出た。
なんていうか雰囲気も、あれ?みたいな。どしたの銀さん。何があったんですか。
ちょっと、いつもヘラヘラしているあんたがそんなになっちゃうほど何があったんですか。

『●。』
『んー?』

ぎゅ、とあたしのことを抱き締めてくれている手に力が入ってので、
銀ちゃんの背に手を回してポンポンと背中をあやすように叩く。

『お前、病気とか持ってないよな。』
『何事ですか。……持ってないっつの。』

おいコラ、そんなに人の着物ひっつかんだら皺になる。
ああ、でもなんか今日の銀ちゃん、壊れそう。

『大丈夫。大丈夫。銀ちゃん、落ち着けー。』

なんか人のこと抱き締めてる腕が震えてるのに、気がついちゃって。
どうした銀時、お前はそんな奴じゃないだろう。
ポン、ポン、と、背中を叩くリズムをちょっとだけ遅くする。
暫くずっと、それを続けていると、落ち着いたのか銀ちゃんがゆっくり体を離していった。

『わりぃ。』

温かかったのに、ちょっと寂しい。
首筋に手を当てて、恥ずかしかったのか、顔を背ける。

『なんだよ、もー。』

誤っちゃったりしちゃってさ。
別に悪いことなんてしてないじゃないか。むしろちょっと嬉しかったんだぞ。
銀ちゃん、いつも余裕で、弱みなんて見せてくれたことないから。

『いったい何があったんですか、コノヤロー。』

銀ちゃん口調でちょっと偉そうに腰に手を当てて言ってみる。
あ、苦笑いしやがったな。なんなんだよ、もー。今日の銀ちゃんは銀ちゃんじゃねーべ。
結局、銀ちゃんの顔が近づいてきて、キスで、誤魔化された。
まぁ、その後に膝枕して、とか言うからしてやってるんですけどね。

 

「もう、本当に何があったのさ。」

するり、と頬を撫でると、無意識なのか手にすり寄ってきたので、何度も私の手は、銀ちゃんの頬を往復する。
新八くんも神楽ちゃんも出かけていて、いったい何があったかなんて、人の膝の上で寝息をたてる本人しか知りえない。

そういえば、と銀ちゃんの頬を撫でながら、以前、坂本さんと一緒に飲み屋に行った時のことを思い出す。
あの人は、最初から最後までずっと笑っていたばっかりだったけど、ちゃんと相談にはのってくれたんだ。
その時初めて、この銀髪が攘夷戦争に出ていたこと知った。確かに、銀ちゃんの強さは異常だ、と思ったこともあったから、妙に納得してしまった。

そう考えると、私は銀ちゃんのこと、知らなすぎると思う。

確かに、彼の生い立ちや過ごした日々、昔のこと、家族のこと、いろいろ聞きたいことは山ほどあるけれど、
それは、聞いていいことなのかわからなかった。聞いて、困らせるようなことも、したくないから、
そんなことで、拒絶されるくらいなら、と思ってしまうのは、どうしたらいい? 
きっと、あなたはそんなこと、しないと思うけれど。

むにっ、っと撫でていた手を捻って、頬を抓った。
気持ち良さそうに寝ていた寝顔が、少し歪んだので、指にだんだんと力を入れていく。

「ん~……。」

眉間にしわを寄せて唸った。
あ、やばい起きる。と思って手を離すのと同時に、ぱっと紅い目が開いた。

「ちょっと●ちゃーん。せっかく銀さん気持ちよく寝てたんですけど。」

くわー、と欠伸交じりの声に、申し訳なさがかって、視線を泳がせる。
完全に、ちょっとした八つ当たりでした。ごめんなさい。

と、いうか、目を覚ましたのに、なぜ起きようとしないんだ。この男。

「よっこいしょっと。」

くると、体制を人の膝の上でかえやがった。
人のお腹に顔を押し付けるような体制に、疑問を抱く。

「銀ちゃん?」
「ん~……?」
「ぎゃあ!」

ちょ、この男、どうどうと人の服の中に手を突っ込みやがった。
すすす、と脇腹を下から上に撫でられて、くすぐったくて身をよじる。

「わ、わ、わ、何?」
「仕返し。」

にやり、と、何かよからぬことを企んでます。という笑みを浮かべる銀ちゃんの顔は、さっきまでのあの弱々しかった銀ちゃんを忘れさせた。







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仕返しという名の口実。
銀さんがいきなりさびしくなったのはきっと、セカチュウ的な何かを見たからだと言い張りたいのです。
ポルのグラフィてぃーの新しい曲をききながらー♪

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